設立者の言葉

我が国の経済は、近年目覚ましい発展を遂げ今や世界屈指の経済大国と言われるようになりました。しかし、その反面各種のひずみも伴って生じ、その是正も急がれています。そのためには、バランスのとれた物心両面にわたる強い施策と豊かな人間環境の整備が強く迫られていると思います。
この大きな課題と取り組む場合、まず強調されなければならないことは、日本の将来を双肩に担う青少年の育成こそ最大のテーマだと信じます。
しかしながら、学生生活の現状を見ると、その経済的負担はますます重く、優秀な素質と勉学の意欲を持ちながら、 ただ経済的な理由で修学の機会に恵まれない者も少なくありません。
この度、これら有為の学生に対し、いささかなりとも奨学援助を行い均しく教育を受ける機会を与えて、将来社会に貢献しうる人材を育成するために、ここに財団法人北澤育英会を設立した次第であります。

昭和49年9月
北澤 利男